
株式会社ファンケルは、分子シミュレーション技術と小角X線散乱法を駆使し、新しい水性クレンジング料の開発に成功しました。この研究では、メイク汚れを効果的に落とすためのメカニズムを可視化し、肌に優しい界面活性剤を低濃度でも活用できることを明らかにしました。慶應義塾大学や日光ケミカルズの協力を得て、保湿剤の種類による洗浄性能の違いを探求しました。
研究の結果、界面活性剤の濃度を4%に抑えつつ、シクロヘキシルグリセリンを配合した処方Aは、グリセリンを使用した処方Bよりも優れた洗浄性能を示しました。これは、シクロヘキシルグリセリンが内部に取り込まれ、界面活性剤の分散性を高めることで、メイク汚れへの吸着を促進したためです。
さらに、実際の吸着量の評価でも、処方Aが高い吸着量を示し、保湿剤の種類が洗浄性能に与える影響が確認されました。この成果を基に、ウォータープルーフアイライナーに対する洗浄性能を評価したところ、処方Aが高い効果を発揮しました。
ファンケルは、オイルクレンジングの強みを生かしつつ、水性クレンジング料でもスッキリとした使用感を提供できる製品を目指しています。従来は界面活性剤の濃度を高める必要がありましたが、本研究により低濃度でも高い洗浄力を実現しました。今後は、この新たなアプローチを基に、グローバル展開を視野に入れた製品開発を進めていく予定です。肌に優しいクレンジング料の進化に、ぜひご注目ください。
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