
花王株式会社は、スキンケア研究所と加工・プロセス研究所の協力により、革新的な日やけ止めの処方を開発しました。この新しいウォーターベースの日やけ止めは、紫外線吸収剤を内包した寒天ハイドロゲルカプセルと高抱水性ポリマーを配合しており、まるで空気を含んでいるかのような軽やかな使用感を実現しています。特に、外部の湿度に応じて塗膜が吸放湿し、快適な感触が持続することを目指しています。
近年、紫外線カット効果の高い日やけ止めが多く登場していますが、花王の調査によると、日やけ止めを使用しても日焼けしてしまった経験がある人は9割を超えています。その背景には、「日やけ止めは義務感で仕方なく塗る」という声があり、実際の使用場面での塗布量が不十分であることが考えられます。また、猛暑や高湿度の環境下では、汗をかくことで肌のムレや不快感を感じる方が多いのも事実です。
これらの課題に対して、花王は使用感の向上とムレや汗による不快感の軽減を目指し、新たな日やけ止めの開発に取り組みました。今回の製品は、ウォーターベースの水相部分に紫外線防御成分をカプセル化して分散させる独自技術を採用。寒天ハイドロゲルカプセルは、紫外線吸収剤を多く内包でき、塗布時に崩壊して広がる特性を持っています。
さらに、湿度環境の変化に応じて塗膜が水分をコントロールできるよう、高抱水性ポリマーを配合しました。このポリマーは自重の数百倍の水分を抱え込む特性があり、汗やムレによる不快感を軽減する可能性を秘めています。実験では、新処方製剤が従来製剤に比べて高い抱水性を示し、蒸し暑い環境でも快適さを保つことが確認されました。
2024年には、実際に新処方製剤を使用した調査が行われ、約7割の参加者が「日中の肌が快適」と回答しました。この結果からも、花王が目指す「使いたくなる感触」が実現されていることが伺えます。
この新しい日やけ止めは、塗布時に半固体から液体に素早く変化し、肌へのなじみが良く、十分な量を塗布したくなる使用感を提供します。花王は、今後もこの知見を活かし、日やけ止めの使用を促進する革新的な製品開発に取り組んでいくことでしょう。日やけを防ぐためには、適切な量をきちんと塗布し、こまめに塗り直すことが重要です。このユニークな感触を通じて、より多くの人々が「日やけしない実感」を得られることを期待しています。
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