中秋節は、家族や親しい人々の円満を願いながら満月を眺める特別な時期であり、その中で月餅やスイーツを楽しむ文化が根付いています。今回は、そんな伝統を新たに解釈した進化系月餅スイーツを紹介します。特に注目したいのが、2024年5月にスタートした「FORTUNE MOON CAKE」です。このブランドは、まだ仙台にしか店舗がないものの、全国のイベントに出店しており、スノースキン月餅や緑豆糕(緑豆ケーキ)を提供しています。
代表の武谷さんは、コロナ禍を経て、身近な人々の無事を願う気持ちから、月餅作りを決意したそうです。従来のスノースキン月餅の米粉の匂いや舌触りが日本人には合わないと感じ、試行錯誤の末に、しっかりとした弾力と香りを実現しました。彼のこだわりは、現地で手作りすることで、通販には対応しておらず、イベント会場でのみ手に入る貴重な一品です。
スノースキン月餅は、米粉をベースにしたもっちりとした皮に白餡やミルク餡、フルーツを包み込み、天然の色素で美しいビジュアルを表現しています。一方、緑豆糕は、薬膳としても利用される緑豆を使い、上品な味わいが特徴です。これらのスイーツは、手に入れるのが難しいものの、ぜひ一度味わってみてほしい逸品です。
さらに、ザ・ペニンシュラ ブティック&カフェの月餅も見逃せません。1986年に考案されたエッグカスタード月餅は、毎年人気を博し、特に新作の「ほうじ茶マロン」は、秋の素材を使い、複雑な味わいが楽しめる一品です。パスカルシェフによる繊細なレシピは、ラズベリーとマロン・ほうじ茶の意外な組み合わせを実現しています。
月餅は本来、家族の幸福を願うものですが、今回紹介したスイーツは、持ち帰る際に特に注意が必要です。美しいビジュアルや香り、味わいを大切にしながら、秋の夜長に大切な人と共に楽しむことをおすすめします。