大阪・天満橋に位置するカフェ「JTRRD（ジェイティード）」は、2017年のオープン以来、鮮やかでフォトジェニックなスムージーやスイーツがSNSで話題となり、人気を博しています。この小ぢんまりとした隠れ家的カフェは、テーブル6席とカウンター5席というアットホームな空間を提供しつつ、訪れるお客さんが絶えないほどの賑わいを見せています。
店主の田村智美さんは、幼少期からの「ものづくり魂」を持ち、家庭環境も影響を与えています。美術家系の家庭で育ち、工作や創作に没頭した日々が彼女の創造力を育んできました。高校・大学と美術を学んだ後は、ハンドメイド作家として活動していましたが、肩や腰の痛みをきっかけに新たな方向へと進むことになります。その結果、最初はセレクトショップとして始まった「JTRRD」は、スムージーの人気からカフェへと進化しました。
田村さんの代表作である「アートスムージー」は、見た目だけでなく健康面にも配慮された一品です。発酵食品のヨーグルトとチアシードを重ね、鮮やかなスムージーを注ぐ3層構造で、自然由来の素材を使用し、手描きで仕上げられたアート作品とも言えるメニューです。このこだわりが、彼女の職人気質を象徴しています。
また、コロナ禍の経営危機を乗り越えるために考案したミニマシュマロ「きゅんベア」も人気で、パフェやケーキにトッピングできるなど、幅広いメニュー展開が魅力です。さらに、夏の定番「フルーツポンチ」では、桶に浮かぶフルーツとマシュマロすくいの体験を提供し、視覚や味覚だけでなく楽しさも加えています。
田村さんの創作意欲は尽きることがなく、現在も大阪万博に向けて「豹柄」をモチーフにしたチョコレートアートを準備中です。手描きで仕上げるその姿勢からは、ものづくりへの情熱が感じられます。「JTRRD」は、単なる一過性のブームではなく、田村さんの情熱とこだわりが生み出した本物の価値を提供する特別な場所です。食べ物を通じて「ものづくりの楽しさ」を教えてくれる、そんなカフェです。
