# 神戸の歴史を味わう「にしむら珈琲店」の魅力
神戸の街を訪れると、クリスマスシーズンにはルミナリエの美しい光が街を彩り、復興の象徴ともなっています。その神戸北野の坂道を上がると、レトロな建物が姿を現します。創業から77年を迎える「にしむら珈琲店」の扉を開けると、甘く香ばしい珈琲の香りとともに、賑やかなフロアが広がります。この喫茶店は、神戸の文化に深く根ざし、香り高い珈琲と本格的なスイーツを楽しむことができる場所です。
## 歴史ある喫茶店の魅力
「にしむら珈琲店」は、神戸と大阪に計9店舗を展開する喫茶店ブランドであり、今回訪れた中山手本店は、5階建てのビルの1〜3階に160席以上を誇る大型店舗です。異国情緒あふれる店内は、懐かしさと新しさが共存する独特の空間で、静かなクラシック音楽が流れる中、心地よいひとときを過ごせます。営業時間は朝8時半から夜11時までと、どの時間帯でも訪れる価値があります。
## 珈琲へのこだわり
「にしむら珈琲店」が誕生したのは1948年。戦後の混乱が続く中、たった3席の小さな店からスタートしました。当時、珈琲豆は貴重で、代用コーヒーが主流の中、本物の珈琲を提供するという強い想いで創業したのです。1995年の阪神・淡路大震災で一度は休業を余儀なくされましたが、修復を経て新たな建物として生まれ変わりました。震災を乗り越えたこの店舗は、神戸の強さを象徴する場所とも言えるでしょう。
「にしむら珈琲店」でぜひ味わいたいのが、こだわりのブレンド珈琲です。使用する6種類の豆をそれぞれ焙煎し、微調整を行った後にブレンドする手法は、豆本来の風味を最大限に引き出します。最初の一口で感じる深い香りとまろやかさは、しっかりとしたコクを持ちながらも後味はすっきりとしており、飲むほどにほっとする味わいが広がります。
## 絶品スイーツの数々
スイーツも見逃せない魅力の一つです。自社パティスリー「セセシオン」で作られたケーキはどれも絶品で、特に人気の「ケーゼクーヘン」はフランス産クリームチーズを贅沢に使い、濃厚ながらブルーベリーの酸味が絶妙なアクセントとなっています。また、ウィーン菓子の代表格「オペラ」は、コニャックの香りが鼻に抜け、フルーティーな味わいが楽しめます。
さらに、創業者の「もったいない精神」から生まれた元祖コーヒーゼリーもぜひ試してほしい一品で、ぷるんとしたしっかりめの食感に、ブレンド珈琲の豊かな香りが口いっぱいに広がります。
## まとめ
「にしむら珈琲店」は、たった3席から始まり、戦後の神戸を活気づけ、珈琲文化をもたらし、震災を乗り越えてきた長い歴史を持つ喫茶店です。今では、自社パティスリー「セセシオン」とベーカリー「ブロートバール」を立ち上げ、高品質なスイーツやパンを提供しています。阪神・淡路大震災から30年目を迎える2025年には、この店が神戸の人々にとってどれだけの支えになったかを感じることができるでしょう。
神戸を訪れた際には、ぜひ「にしむら珈琲店」で一杯の珈琲を楽しみながら、77年の歴史を感じてみてはいかがでしょうか。
