# チョコレートの新たな魅力を探る「nib(ニブ)」のデザート体験
2024年12月21日、日本橋兜町に新たにオープンした「nib(ニブ)」は、チョコレートとアイスクリームの専門店「teal」のシェフ、眞砂翔平さんが手掛ける注目のデザート店である。オープン前から話題を集めており、8席限定の特別なデザートコースが楽しめるこのお店は、カカオの新たな可能性を探求することをテーマにしている。
## カカオの魅力を体感するデザートコース
「nib」のデザートコースは、ゲスト自身が手を加えながら楽しむスタイルが特徴的である。コースの内容は、ドリンク、一口サイズのカカオの小菓子、皿盛りのデザート、そしておまけのスイーツから構成されている。席に着くと、テーブルには木の鉢や小さな鉄板、砂時計が用意され、何が始まるのかと期待が高まる。
まず登場するのは、小菓子のラインアップである。水とカカオを使ったホイップクリームをブッセではさんだ「水とカカオのエアリー」や、カカオの出汁で煮たリンゴをカカオバターのパイ生地にのせた「カカオのりんご」は、驚くべきカカオの使い方を体感できる逸品だ。
## 自分だけのチョコレートタルトを完成させる体験
特に注目すべきは、「ジブンのカカオ」というチョコレートタルトで、ゲストが自らカカオ豆をローストして砕いたカカオニブをトッピングすることで完成する。これは、眞砂さんがコスタリカの先住民族・ブリブリ族との出会いからインスパイアを受けた体験であり、直火でローストしたカカオの香ばしさが楽しめる。
ロースト中のカカオ豆からは、パチパチとした音が響き、香ばしい香りが広がる。粉砕したカカオニブは、濃厚なタルトに絶妙にマッチし、まさに自分だけの特別なデザートが完成する瞬間は感動的である。
## 水出しカカオ豆茶風で味わう新たな風味
この日のドリンクは「水出しカカオの豆茶風」で、炒ったカカオ豆をカカオハスクを水出ししたティーに加えたもの。雑味を抑えたこのお茶は、カカオのフルーティーな酸味と甘味が感じられ、スイーツとは異なる魅力を放つ。
デセールを待つ間には、山椒のムースやカカオ出汁のグラニテといったおまけスイーツも楽しめる。軽やかな口溶けと素材の味わいが重なり、心が和むひとときを提供してくれる。
## 日本の自然とカカオの共存を描いたデセール
目の前で組み立てられるデセールは、「日本の山とカカオの共存」をテーマにしている。杉のエキスを使用したムースの上には、眞砂さんの故郷である和歌山県産のみかんが盛り付けられ、温暖化の未来を見据えた創作である。さらに、幻のカカオ「マカンボ」を豆腐のように仕立てたパーツや、コスタリカ産のチョコレートで作ったガナッシュなど、様々な素材が絶妙に組み合わさり、一つのデセールに仕上げられる。
## フレグランスと共に楽しむ特別な空間
「nib」の隣には、フレグランスブランド「LAURASIA(ローラシア)」を展開するフレグランスロビーが併設されており、特別なアロマを楽しむこともできる。自分だけの香りを楽しめるオーダーメイドの調香も可能で、デザートとともに五感を満たす体験が広がる。
眞砂さんの手による新たなカカオの姿を体感できる「nib」は、チョコレート好きだけでなく、新たなスイーツ体験を求めるすべての人におすすめの場所である。アラカルトメニューや小菓子のテイクアウトも予定されているので、ぜひ訪れてみてはいかがだろうか。